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レストランINUAに行ってきました

ソフトオープン以来の2回目のINUA に行ってきました。「世界一予約が取れないレストラン NOMA 」のDNAを受け継ぐINUA 。

このレストランの受け止め方は様々だと思います。

主に使われる食材は植物系のものが殆どですし、メニューにいわゆる高級グルメの代名詞となる和牛や高級海鮮そういったものは殆ど出てきません。そういうグルメを求めるなら東京に数多あるレストランを訪ねるべきでしょう。

ただこのINUA というレストランを訪れるにあたって大切な事があるとするなら、それまでの食の常識や価値観をゼロにする事でないかと思うのです。そうすることでINUAにしかない唯一無二の料理の数々をとてもとても楽しめる。

INUA の料理に使われる食材は日本ならではのものが多く、またそれを大切にしています。

日本人は自国の料理や食材に対して非常に誇りを持っていますから(実際世界に誇れるものだと私も思っています)、それゆえこの食材はこう料理すべき、とかこう生かすべきといった強固な固定概念を抱きがちなのも事実でしょう。それを一度ゼロにしてみましょうという事です。

またもうひとつの側面としてINUA の理念(NOMA も同じだと思っています)が極端に工業化された畜産業や農業に対してのカウンターを有していると思います。そしてそこに通じるのは有機農業、無農薬栽培、またベジタリアンやヴィーガンといった食のスタイルの理念のような気がします。

私自身はそれを全肯定も全否定もしませんし、特に実践もしてはいませんが、ただそういったものを少しだけでも知り、理解することで更にINUA の料理を楽しめると思うのです。(誤解のないように言っておけばINUAはベジタリアンメニューでもヴィーガンメニューでもないです)

もちろん、小難しい理屈なしに新しい味の世界を楽しむことも十分可能なわけですが。

そういう少しだけの頭と気持ちの準備をして扉を開いた時、その料理は時に推理小説であったり、哲学であったり、時には夜空の花火の煌めきであったりします。つまり深く考えてみたり、単純に舌の感情に身を任せたり。

私の初めての訪問はソフトオープンの時でしたが、1年数ヶ月ぶりに訪れたINUA の料理は更に深みと説得力を増し、単に食事を味わうだけではなく、「体験」や「思想」としての食を強烈に実感させてくれるものでした。

私は評論家でもないですし、饒舌に料理を語れるグルメでもありません。それゆえ、一つ一つの料理に対する評論は出来ませんが、これからINUA というそこにしかない世界の扉を開けようとする方に少しでもその魅力が伝われば良いなあと思います。

勿論、私の作った器たちを料理のコース、テーブルのウォータージャグやコップ、花器、また店内の大ぶりの花器などでたくさん見ることができます。

9月以降は(日にち限定ながら)ランチ営業やアラカルトなど、新たな展開も予定されているようです。

ぜひ一度、INUAへの扉を開けてみてください。

「INUA」

公開日 カテゴリー 未分類

nobuhiko-tanakaについて

1966     東京都練馬区生まれ 1990     立教大学卒業 1991     京都府立陶工高等技術専門校修了 1991~93  滋賀県八風窯勤務 1993~95  吉祥寺アトリエ飛行船陶芸研究所講師 1994     埼玉県入間市に開窯 2001~03  日本クラフトデザイン協会会員 個展:新宿伊勢丹、うつわ楓(南青山)、日々(銀座)、TIME & STYLE RESIDENCE(二子玉川)

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